みなさん、XinChao!
ベトナム料理の代表的食べ物フォー(Pho)についてお話ししていきます。今では、日本でも食べられるようになっているフォーですが、本場ベトナムではどのように食べているのか、どんな種類があるのか紹介していきます。
フォーとは
フォー(Pho)とはベトナム麺の代表格ともいえる麺料理のことで、ライスヌードルの1種でもあります。20世紀初頭に誕生したと言われており、ベトナム北部が発祥で、ベトナム戦争終結を機にベトナム全土へ広がっていったとされています。
フォーは米粉を水で溶き、蒸し器の上にクレープ状に広げて蒸した生地を麺状に切って作ります。そのため、作る人の切り方によっては日本のソバ風だったり、平たいきしめん風の麺になったりと、様々な形状に分かれます。
フォーの起源
フォーの誕生にはいくつかの説があります。フランスのポトフが由来だとする説、中国の牛肉粉(牛肉+ビーフン)が由来だとする説、ベトナム人が食していた水牛肉の煮込みとビーフンを合わせたものが由来だとする説などがあります。また、「フォー」という名前に関してもその語源はよくわかっていません。
フォーの種類
スタンダードなフォー
フォーはスープの違いから大きく2つに分けることができます。牛骨などから取った出汁をベースにしたスープに麺を入れ、牛肉を載せて食べるフォーボー(Phở bò)と鶏がらベースのスープに麺を入れ、鶏肉を載せて食べるフォーガー(Phở gà)の2つです。
店によってスープのつくり方は違いますが、2種類のスープを用意している店はそれほど多くありません。というのも、ラーメンのスープ同様に作成に時間がかかるものであるため、専門店などではこだわって1種類のスープを作る店が多いです。
変わり種なフォー
現在ではフォーのスープとして、牛肉をワインソースで煮込んだものを使用したり、ビーフシチューやカレー味のスープ、海鮮で取ったスープを使用するものもあり、バリエーションが増えてきています。その他、フォーの麺を焼きそばのように炒めたフォーサオやビーフシチューの中にフォーの面が入ったフォーボーコーなどもよく食べられています。
また、切る前のフォーの生地にハーブなどの葉っぱと炒めた牛肉を巻いて生春巻きのように食べるフォークオンや厚めに四角く切ったフォー生地を揚げて、そこに豚肉や青菜などの野菜を炒めたものなど、フォーの生地をアレンジしたものもあります。
フォーの食べ方
一般的には、牛や鶏をベースにしたスープにゆでた麺をいれ、パクチーなどの香草や薄切りの牛肉や鶏肉などを具としてトッピングし、食べる直前にお好みでライムやヌックマム、唐辛子、チリソースを加えて好みの味に仕上げるものを想像するかと思います。
しかし、これは、ベトナム南部で多く食べられているもので、フォーの発祥の地であるベトナム北部では違った食べ方がされます。ベトナム北部と南部での食べ方の違いを紹介します。
北部
ベトナム北部では、牛骨でとったスープに塩を加え、トッピングに肉と薬味のネギをのせるだけのシンプルなフォーが主流です。一緒に出されるライムと唐辛子で自分好みに味を調えて食べます。
肉に関しては、薄い生肉を乗せアツアツのスープをかけて少し熱を通し手食べるものや、しっかりと過熱した牛肉をのせるもの、牛肉団子をのせたものなど、店によって様々ですのでお好きな1杯を探してみるもの楽しいかも知れません。
南部
牛骨や鶏ガラベースのスープに麺を入れるところは一緒ですが、南部では付け合わせや調味料が北部よりバリエーション豊富です。
南部でフォーを注文すると、ハノイで出されるシンプルなフォーに加えて、別皿でもやしやパクチー、ドクダミなどの香草が盛られた皿が出されます。
また、テーブルには醤油のほか、チリソースやトゥオンデン(Tương đen)またはトゥオンゴット(Tương ngọt)という大豆や米に砂糖などを加えて発酵させた味噌のようなソース、サーテー(Sa tế)という唐辛子のペースト、唐辛子やニンニクをヌゥオックマムや酢に漬けたものなどが置かれているか、料理と一緒に出されます。これらを好きなだけ盛り付け、よく混ぜることで自分好みのフォーに調整することができます。
香草の皿には、ノコギリコリアンダーと呼ばれているゴーガイ(Ngò gái)の葉のように、長い葉っぱや茎にいくつかの葉っぱがついている香草が出されることがありますが、これらは食べやすい大きさにちぎったり、茎をちぎったりして器の中に入れることになります。
余談ですが、筆者はノコギリコリアンダーのせいで一切のパクチーの味を受け付けなくなったので、パクチー初挑戦の方、あまり得意ではない方は控えておいたほうがいいかもしれません。筆者は苦手すぎて、ノコギリコリアンダーが入っていないか確認する癖がついてしまいました。
食事の時の注意点
箸・スプーン
フォーはレストラン店から屋台まで様々な場所で食べることができます。特に屋台などでは、きちんと洗っていないような箸やスプーンを出されることがあり、現地のベトナム人でも食べる前に卓上にあるティッシュなどで拭いてから使用します。気になる方は、同じように拭いてから使うようにしてください。
また、スプーンに関してですが、フォーのスープを飲む際に日本のように器から直接飲むことは極めて下品な行為だと考えられているので、スプーンを使ってスープを味わう必要があります。ラーメンを食べる際にレンゲを使うのと同じです。
水・お茶
ベトナムでは、基本的にドリンクは有料であることが多いです。お茶1杯30,000VND(約150円)くらいで、場所によっては無料です。水には注意している場合でも、見落としがちなのが氷です。この氷が原因でおなかを壊してしまう可能性があるため注意してください。
レストランなどでは、安全なものが使用されていることが多いですが、屋台などではどうかわかりませんので、持参したコンビニの水などを飲むのが無難です。
ウエットティッシュ
レストランなどで席に置かれているものは基本的に有料です。また、屋台などではそもそも出てきません。そのため、ベトナム人でもマイウエットティッシュ持ち歩いている人が多いです。旅行中何かと使う機会が多いと思いますので、持ち歩くことをおすすめします。
その他の麺料理
ベトナムにはフォーのほかにも様々な麺料理があります。詳しくは別の機会に紹介しますが、ここではいくつか簡単に紹介します。
フーティウ
ベトナム南部ホーチミンでよく食べられている麺です。水に浸けた米をすりつぶし、薄くクレープ状に引き伸ばして蒸したものをカットし、一度天日干しし乾燥させて作ります。こうすることで、「コシ」が生まれます。コシや歯ごたえが好きな人には、こちらのほうが向いているかも知れません。筆者もホーチミンにいたころはよく朝食に食べていました。
ミー
中国から伝わったとされる卵麺です。日本でいうところの中華麺のようなもので、焼きそばや固焼きそば、フーティウなどの麺と合わせてラーメンのようにして食べるなど様々な方法で食べることができます。
ブン
フォーと同じく米粉を原料とした押し出し麺です。フォーと違ってつるつるとした麺になっており、麺料理のほか生春巻きの中に入れたりもします。ブンチャーと呼ばれるつけ麺のような料理は、冷やし中華のようにさっぱりと食べることができるのでおすすめです。
おわりに
今回は、ベトナム料理の代表格のフォーを紹介しました。ベトナム人の国民食といっても過言ではないフォーですが、朝食や昼食はもちろん、夕食にもいける万能食です。日本でも食べることができるので、一度チャレンジしてみてください。そして、機会があれば本場ハノイの屋台で現地ならではの味を楽しんでみてください。
それでは、ヘンガップライ~