活気あふれる国ベトナム。旅行や滞在中には、さまざまな刺激を味わうと思います。そんなベトナムは、日本と違うルールがいくつもあります。中には知らないことが原因で、取り締まりの対象となることも。
楽しいベトナムライフを送るためにも、ベトナムに行く前にルールを予習しておきましょう。
ベトナムで気をつけるマナー:食事編
ベトナムでの食事は、日本のマナーと大きく違う点がいくつもあります。美味しいベトナム料理を堪能したいところですが、マナーはしっかり守りたいところ。
特に料理の食べ方には十分気をつけてください。日本と同じような食べ方をしていると、現地の方から下品と思われてしまいます。
麺料理では日本のようにすすらない
日本と同じように麺料理が豊富なベトナム。ベトナム料理の代表的なフォーを食べる機会も多いと思います。
日本人は麺料理を食べる際、音を立ててすするのが一般的ですよね。しかしベトナムでは、日本のようにすすって麺を食べません。
ベトナムの麺料理には必ずスプーンが付いていきます。ベトナムでは麺をいったんスプーンにのせて、そのまま口へ運ぶのが常識の食べ方です。ベトナムではスプーンをうまく使って美味しい麺料理を食べるようにしましょう。
スープの器は口をつけない
麺料理の食べ方と同じぐらい気をつけたいのが、スープの飲み方です。
日本人はスープを飲む際、器を口に付けて飲む方が多いと思います。これもベトナムではマナー違反。スープを飲むときも、必ずスプーンを使って飲むようにしましょう。
丼物を食べるときも、口に付けて食べてはいけません。ベトナムのマナーとしては、器はテーブルに置いたままというのが常識です。箸やスプーンを使って食べるよう心掛けてください。
レストランで置かれているおしぼりは有料がほとんど
ベトナムのレストランでは、食べ方以外にも注意したい点があります。
日本では当たり前のように出されるおしぼりやお水。ベトナムでもこのようなサービスを行っている飲食店はたくさんあります。日本人の感覚からすると出されたおしぼりは、当たり前のように、使ってしまいますよね。
しかしベトナムでは、このおしぼりが有料ということがほとんどです。金額としては決して高くありませんが、有料というのが少しネックですよね。そのため、ウェットティッシュを持参している方も多く見られます。ベトナム滞在中は、ウェットティッシュをいつも持っておくといいでしょう。
似たようなことで、テーブルの上にお菓子やおつまみが置いてあるレストランもあります。これも、食べた分だけ請求されるシステム。ベトナムでは「注文したもの以外はお金がかかる」という風に覚えておいてください。
高級レストランではチップの習慣がある
ベトナムでは日本と同じように、チップの習慣がない国です。しかし、ベトナムも欧米化が進み、高級レストランではチップが発生することもあります。
チップとしては欧米ほど高くありませんが、5万ドン以上を渡すようにするといいでしょう。
この習慣は特に南部に見られる傾向です。南部には外資系も多く入っていますので、高級店に行く際は、多めにお金を用意しておいてください。
ちなみに、タクシーやローカル店ではチップは必要ありません。ただし、良いサービスをしてくれたら心づけとしてチップを渡すのもおすすめです。
ベトナムで気をつけるマナー:交通編
ベトナムに行っていちばん驚くことと言えば、バイクの多さでしょう。大量のバイクとクラクションに、最初は戸惑うかもしれません。
また、交通ルールも日本とは大きく違います。横断歩道1つ渡ることさえ苦労します。道を歩くときは、ほかの乗り物にも注意してください。
ベトナムは日本と逆で歩行者優先ではない
日本の交通ルールでは、歩行者優先という考えが根付いていますよね。しかしベトナムでは真逆の考えが一般的です。
ベトナムでは大きな乗り物が優先されます。道路ではバス→車→バイク→自転車→歩行者という順番です。そのため、横断歩道を渡るときも、人を気にせず車やバイクが目の前を走ってきます。例え歩行者が青信号であっても変わりません。
ほかにも道路によっては、赤信号でも右折可能なところもあります。歩行者が道を渡るときは、左右を確認しながらゆっくり前に進んでください。くれぐれも走ったり道の真ん中で止まったりしないようにしましょう。
初めてベトナムを訪れる方は、なるべくほかの歩行者と一緒になって渡ると安心です。数日すれば、この渡り方も慣れてくると思います。
お年寄りには席を譲る
ベトナム人は、日本人よりもお年寄りを大切にしている国民といっても過言ではありません。そのため、お年寄りには率先して席を譲るのがマナーです。
特に若い方にこの光景が見られるため、自分よりも年上と思ったらお年寄りではなくても席を譲ることも多々あります。
ベトナムに行った際は、このような行動も見習って年上の方に席を譲るようにしましょう。
ベトナムで気をつけるマナー:観光編
ベトナムは中国やフランスの影響が色濃く残る国。何とも言えない独特の雰囲気は、観光をしていても多くの刺激を受けるでしょう。
また、地域によってまったく表情が変わるのも、ベトナム観光の楽しみのひとつ。どこか懐かしい雰囲気やフランスを感じさせる建物など、その土地でしか見られない光景を楽しんでみてください。
寺院や教会ではフラッシュはたかない
ベトナムは寺院や教会がたくさんあります。ほとんどの宗教建築は自由に見学でき、写真撮影も問題ありません。ただし、フラッシュは控えて写真撮影をしましょう。
ベトナムは、熱心な仏教徒やキリシタンが多くいます。見学途中でもお祈りをしている姿を目にするでしょう。フラッシュをたいてしまうと、その方たちの迷惑になってしまいます。寺院や教会を訪れる際は、静かに見学するよう心掛けてください。
寺院では露出を控える
寺院の見学では、露出の多い服装だと断られることがあります。特に南部は年中暑いため、薄着になることが多いでしょう。
もし寺院を観光するときは、羽織ものを持っていったり長いボトムに履き替えたりして見学するようにしてください。
ベトナムで気をつけるマナー:その他
ベトナムに行くと「ここは民主主義の国?」と感じるほど、自由を感じます。しかし、ベトナムはれっきとした社会主義国。
そのため、日本の感覚とは違うルールがあります。意外にも自由が制限されていますので、旅行や滞在中は十分気をつけてください。
警察や軍の関係者は写真を撮らない
ベトナムは至るところで警察官を見かけます。制服の色によって職務が分けられていますが、警察官の写真撮影はしない方が無難です。万が一見つかると、注意を受ける可能性が高いです。
もっと気をつけたいのが、軍の関係者の写真撮影。この撮影は禁じられています。特に観光スポットであるホーチミン廟の兵士には、カメラを向けないでください。
公共の場で政府関係の悪口は言わない
日本では言論の自由から、政府に対しての意見を自由に発言できます。しかし社会主義のベトナムではそうはいきません。
ベトナムでは、公共の場で政府に関する悪口は禁止されています。これはSNS上でつぶやくのも同じこと。万が一見つかると、捕まる可能性が高くなります。
合わせて、建国の父と呼ばれる「ホー・チン・ミン」さんの悪口もご法度です。ホー・チン・ミンさんの悪口は、ベトナム人の心を傷つける原因。ベトナム人はホー・チン・ミンさんのことを敬愛しています。
ベトナム国民の心を踏みにじるようなことは決してしないようにしましょう。
公的文書を記入するときは青色を使う
ベトナム滞在する方に大きく関わるのが公式文書の提出です。日本では公的書類に記入する際、一般的に黒色を使うのが常識です。
しかし、ベトナムでは青色を使う傾向があります。黒色を記入しても問題ありませんが、過去に書類が受理されなかったケースもありますので、あらかじめ青色で記入するようにすると安心です。
子どもの頭を撫でない
小さな子どもを見ると、可愛くてついつい頭を撫でてしまうということはありませんか?日本なら頭を撫でても懸念に思う方も少ないですが、ベトナムではこの行為をしない方が無難です。
というのも、ベトナムでは他人が子どもの頭を撫でることに不快に感じる方がほとんど。子どもの誘拐が多いというのも理由のひとつかもしれません。
合わせて気をつけたいのが、子どもを褒める言葉です。ベトナムでは他人から褒められると、将来逆のことが起こると言い伝えられています。子どもへの対応も、日本とは大きく違うので注意してください。
まとめ
ベトナムには、日本と違うルールがたくさんありますね。
特に注意しておきたいのが、ベトナムは社会主義国だということ。政府に関することは細心の注意を払うようにしてください。
また、食事も日本とは異なります。楽しい時間を過ごすためにも、その国にのっとったマナーで食事を楽しみましょう。