ベトナムで進行されている宗教というと何を思い浮かべますか?実は、ベトナムで信仰されている宗教はさまざまです。その宗教を見てみると、ベトナムの歴史がわかるほど。
この記事では、多民族国家のベトナムで信仰されている主な宗教を6つ紹介します。ベトナムの宗教を知っておくと、観光でもきっと役に立つと思います。
合わせて宗教にまつわる注意点や習慣も紹介しますので、観光するときの参考にしてみてください。
ベトナムで信仰されている宗教
ベトナムでは、これから紹介する6つの宗教が主に信仰されています。ベトナムの歴史を知る上でも重要で、観光スポットになっているところも多くあります。
仏教
仏教はベトナムでもっとも信者のいる宗教です。というのも、ベトナムの大半はキン族で、その多くが仏教を信仰しているからです。日本と同じ「大乗仏教」ですが日本の仏教とは少し違い、儒教と道教が合わさったような教えになっています。
ベトナムは中国の影響を受けている国ということもあり、ベトナム全土に渡って寺院が建てられています。実際に観光すると、中国語で書かれているところも多いです。
ベトナムの寺院を回る際は、日本のお寺との違いを見てみるとおもしろいと思います。以下は、旅行者に人気の観光スポットです。
仏教のおすすめの観光スポット
エリア | 名称 |
ホーチミン | 永厳寺(ヴィンギエム寺)
天后宮(ティエンハウ寺) 福海寺(フックハイ寺) |
ハノイ | 文廟 (孔子廟)
一柱寺 鎮国寺 |
ダナン | リンウン寺 |
キリスト教
ベトナムは16世紀、フランスによる統治時代が始まります。その影響もあり、ベトナムには歴史的な教会も多数見られます。ベトナムのキリスト教信者は1987年頃から急増。今では人口の約7%の人がカトリックと言われています。
また、ベトナムには3つの大司教区があるのも興味深いところ。大司教区はハノイ、フエ、ホーチミンにあります。ほかのエリアにも歴史を感じる教会があるので、行く先々で教会を見学してみるのも楽しいでしょう。
以下は、観光でも外せないスポットばかり。インスタ映えする教会もあるので、ぜひ訪れてみてください。
キリスト教おすすめの観光スポット
エリア | 名称 |
ホーチミン | サイゴン大教会
タンディン教会 |
ハノイ | ハノイ大教会 |
ダナン | ダナン大聖堂 |
フエ | フエ大教会 |
イスラム教
ベトナムのイスラム教徒はとても少ないですが、約7万人の信者がいるとされています。
イスラム教は10~13世紀頃ベトナムに伝わったと言われており、中部~南部を支配していたチャンパ王国がきっかけでした。当時、イスラム教は活動的でしたが1976年、現在のベトナムが成立すると、多くのイスラム教徒はマレーシアに避難したそうです。
現在、ベトナムには数少ないモスクがありますが、これらは在住外国人向けのもの。観光客でも見学可能なので、一度のぞいてみるのもおもしろいでしょう。
イスラム教のおすすめの観光スポット
エリア | 名称 |
ホーチミン | ジャミア・アル・ムスルマン |
ハノイ | アルヌールモスク |
ヒンドゥー教
ヒンドゥー教はベトナムと深い関わりのある宗教です。その昔、ベトナム中部~南部にかけて勢力を築いていたチャンパ王国がありました。先ほど、イスラム教でもチャンパ王国が関係していると説明していますが、それよりも遥か昔のことです。
現在のヒンドゥー教の信者はその子孫と、ベトナムに定住しているインド人。インド人の多くは1975年以降、インドに戻ったようですがホーチミンには彼らの文化が残るヒンドゥー教寺院が今でも信仰されています。
また、チャンパ王国の遺跡も見ものです。世界遺産にも登録されているミーソン遺跡は、現在も発掘の真っ最中。ベトナム観光する際は、寺院や遺跡を見て回るとヒンドゥー教がどれほどベトナムに関わっていたかがわかるでしょう。
ヒンドゥー教のおすすめの観光スポット
エリア | 名称 |
ホーチミン | スリ・マリアマン寺院
スリ・タンディ・ユッタ・パニ寺院 |
ダナン | ミーソン遺跡 |
ニャチャン | ポーナガル塔 |
ホアハオ教
ホアハオ教は、ベトナムの新興宗教のひとつです。南部のメコンデルタを中心として信者がおり、フランス植民地時代に誕生しました。
ホアハオ教の教えは仏教を基盤にしたもの。また儒教の影響も受けています。仏教徒大きく違うのは、寺院に僧侶を置いていないこと。また、仏像の代わりに紫色の布を崇める対象にしています。
ホアハオ教の寺院を見学したいなら、総本山に行くのがおすすめです。
ホアハオ教のおすすめの観光スポット
エリア | 名称 |
フーミン | 安和寺(総本山) |
カオダイ教
ベトナムにはもう一つ信者の多い新興宗教があります。それはカオダイ教といい、ベトナム最大の新興宗教です。総本山はタイニン省にあり、ホーチミンからもオプショナルツアーを利用して観光できます。
カオダイ教の特徴は、さまざまな宗教がミックスされていること。仏教を中心にキリスト教、イスラム教などの要素が取り入れられています。カオダイ教の総本山を見てみると、カラフルな寺院に驚くでしょう。
カオダイ教のおすすめの観光スポット
エリア | 名称 |
タイニン | カオダイ教寺院(総本山) |
ベトナムの観光で宗教施設を回るときの注意点
ベトナムには、さまざまな宗教施設があります。観光で人気のスポットも多いため、ベトナム旅行で訪れる機会も多いです。ベトナムと日本とではマナーも違うため、観光する前に気をつける点を確認しておきましょう。
露出の多い服装は避ける
特に仏教寺院を回るときに気をつけたいのが服装です。多くの寺院では、露出の多い服装だと見学を断られる可能性があります。上着は肩を出さない服装にし、ボトムも長めのものを着るようにしてください。
また、モスクも同様のことが言えます。ベトナムにあるモスクでは、ヒジャブ(スカーフ)を貸してくれるので、女性はヒジャブを付けて見学してください。
写真撮影はOKだがフラッシュはたかない
ベトナムの宗教施設は、基本的に写真撮影は可能です。ただし、フラッシュはたかないようにしましょう。内部が暗くて写真写りが悪いと思ってもNGです。
宗教施設には熱心な信徒数がお祈りを捧げています。信者の方に失礼に当たるほか、観光客にも迷惑がかかります。
仏教の参拝方法は日本と違う
ベトナムでいちばん信者の多い仏教ということもあり、ベトナム全土に渡ってたくさんの寺院を見かけます。
日本とは違う寺院の雰囲気は、観光スポットとしてもおすすめの場所。ここで参拝をする観光客も多いですが、参拝方法には注意してください。仏教といっても日本とは参拝方法がまったく違います。
ベトナムの参拝方法はこちらです。
- 長い線香を両手で持って複数回おじぎをする
- おじぎが終わったら線香を立てる
- 仏像の前でひざまずいて両手を合わせる
タイでも見かけますが、ベトナムの寺院でも線香立てがいくつもあるところがあります。そのときは、すべての線香立てに均等に立てられるよう配分に注意しましょう。
教会の見学はミサの時間を調べておく
フランス植民地だったベトナムには、教会もよく見かけます。教会の内部まで見学したいなら、ミサの時間を狙っていくのがおすすめ。教会によっては、ミサのない時間帯は見学できないところもあります。
まとめ
ベトナムは日本と同じように仏教が主流の国。しかし過去の歴史から、さまざまな宗教が信仰されていたのもベトナムの特徴です。
今回紹介した6つの宗教は、国家公認宗教団体に位置づけられています。観光スポットとしても人気なので、ベトナム旅行の際はぜひ足を運んでみてください。
また、見学するときはマナーを守ることも大切です。参拝ルールも知っておくと、寺院巡りも楽しくなると思います。