実は超友好国!?徹底解説!ベトナムと韓国の関係!国民感情、経済協力、友好関係、歴史問題(ベトナム戦争)など、在住者が徹底解説します。

ベトナムの生活
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みなさん、しんちゃお!K-POPブームに端を欲した昨今の韓流ブームで、日本でも韓国の人気が上がってきています。今回は、ベトナムと韓国の関係性を在住邦人の視点から紹介していきます。

ベトナム人の韓国に対する国民感情

ここでは、ベトナムにおける韓国に対するイメージがどのようなものか説明していきます。

韓国カルチャーの影響

現在日本をはじめとする全世界中で、韓国アイドルが人気を博しています。ベトナムでも同じようにアイドルブームが起こっているほか、韓国ドラマや食品、化粧品などが人気になっており、ベトナムの若い世代の心をつかんでいます。

在越韓国人の増加

2020年のニュースでは、ベトナムに住む韓国人の数は、20万人以上と発表されています。これは現地に住む日本人の約10倍です!当然、当地における影響力は絶大です。ホーチミンやハノイなどの大都市では、毎日必ず韓国人を目にすると言っても過言ではありません。彼らとベトナム人の関係は良好であり、草分け的に両国の友好関係を築いています。

ベトナムと韓国の経済協力関係

包括的戦略的パートナー

1992年に国交を樹立してから30年になるのを機に、2022年10月18日のベトナムと韓国の会談で「戦略的パートナー関係」から「包括的戦略的パートナー」へ格上げすることが公式化されました。この会談で、農産物、水産物、果物などベトナムの得意な製品の韓国への輸入を強化することなどが話し合われました。これにより、ベトナムと韓国の関係性が強化されていくことになるでしょう。

外国直接投資(FDI)

ベトナムと韓国の経済を語るうえで欠かせないのが、ベトナムの外国直接投資(FDI)と韓国企業サムスンとの関係です。2013年頃にサムスンがベトナム北部でスマートフォンを製造する第二工場の操業を始めたことで、サムスンによる投資額が増加しただけでなく、同地域における一企業当たりの売上高が、急激に上昇していることからも、サムスンの工場がもたらした影響が大きいことをうかがい知ることができます。

サムスンとのつながり

2014年頃には、ハノイ近郊にあるノイバイ空港における航空貨物のうち、約4割がサムスン関連の品物で、このままのペースでいけば、約半分がサムスン関連になるという試算のもと、ノイバイ空港にサムスン専用の輸出入貨物ターミナルの確保を申し出るほどでした。

また、2020年にはサムスンが生産するスマートフォンの5割強をベトナムで生産していましたが、新型コロナウイルスの影響で、新型スマホ向け有機ELパネルの生産ライン立ち上げのための技術者の入国が出来なくなり、新製品の生産が遅れることも危惧されました。

しかし、韓国政府からの要望で、ベトナム政府は、技術者の受け入れを例外的に認めるということがありました。このことからも、サムスンとベトナムのつながりの重要性が見て取れます。

ベトナムと韓国の国家レベルでの友好関係

国交樹立

ベトナムと韓国の関係は、ベトナムが統一される前にまでさかのぼります。1955年にベトナム共和国(南ベトナム)を承認し、1956年には同国と国交を樹立しました。その後、ベトナム戦争への参戦などで、南ベトナムとの関係をつづけていました。ベトナム戦争で南北ベトナムが統一された後は、1992年にベトナム社会主義共和国(現在のベトナム)と国交樹立しました。

包括的戦略的パートナー

経済協力でも述べましたが、2022年10月にベトナムと韓国の会談が行われ、両国が「包括的戦略的パートナー」関係に格上げされることが公になりました。包括的戦略的パートナーとは、ベトナムにおいては最高レベルの対外協力関係で、現在ベトナムが同関係にあるのは中国、ロシア、インドの3カ国だけで、韓国が4番目となります。

これにより、海洋安全保障の強化に向け、国防・安全保障の分野での協力強化や気候変動への対応、インド太平洋経済枠組み(IPEF)交渉、保健医療分野などでの協力を強化していくことを決めています。さらに、韓国は教育の分野でも支援を強化していくことを表明しています。

ベトナムと韓国の歴史的確執

ベトナム戦争の遺恨

アメリカが枯葉剤を散布した悲惨な戦争であったとして知られているベトナム戦争ですが、実はこの戦争にはアメリカからの要請と共産主義の拡大抑止を理由に韓国軍も参戦していました。しかも、その数はアメリカに次いで2番目に多い約32万人であったといわれています。

この戦争で韓国軍は民間人の大量虐殺やレイプなどの戦争犯罪を起こしているにもかかわらず、韓国政府はこれを認めず、ベトナム政府もこれを咎めようとはしていません。この歴史は高齢世代の記憶に残っているのみで、史実としてベトナム国内、韓国国内の教育の場で教えられることはありません。

では、なぜこの歴史が語られることがなくなったのでしょうか。理由としてはベトナムと韓国が経済的なつながりを強めていることが挙げられます。ベトナムにおける外国直接投資額の累積は韓国が一番であり、韓国資本による経済成長は著しいものがあります。

「ライダイハン」問題

ライダイハンとは、ベトナム戦争中に韓国人兵士に犯されたベトナム人女性のこどものことを指します。ベトナム国内では、「ライダイハン」は蔑称であり、ライダイハンとその家族約5000~3万人の人が差別されてきたことになります。

現在でも韓国政府はベトナム戦争当時の韓国軍の行為に対する謝罪などは行っておらず沈黙を貫いていますが、民間団体などのレベルではライダイハンたちに対する支援などを行っています。

国際結婚問題

ベトナム人の韓国に対するイメージを形成する要因の一つに、国際結婚問題が挙げられます。2010年ころ、韓国人男性に嫁いだベトナム人花嫁が韓国で殺害される事件が立て続けに起こっていたため、韓国人に対するイメージは悪化していました。

ベトナムの貧しい地域に暮らす女性が、ベトナム国内の仲介業者を通じて韓国人へ嫁ぐケースが多く、精神疾患を患っていた男性が結婚数か月後に、ベトナム人妻を殺害したケースや、離婚を切り出された男性が、ベトナム人妻を殺害したケースなどが大きくとりだたされました。

このようなことがあったことを背景に、ベトナム政府は50歳以上の韓国人男性や、16歳以上離れた韓国人男性との国際結婚の禁止など、国際結婚に対する規制が強まりました。

まとめ

今回はベトナムと韓国の関係について紹介してきました。韓国とベトナムは、経済、政治、文化などあらゆる面で密接な繋がりがあり、いずれも良好な関係を築いています。世界一の親韓国といっても過言ではありません。

しかし、しばしば過去の遺恨が取り沙汰されてもいます。過去の確執を解消しないままに現在まで関係を続けているため、いつこの遺恨が大きくとりだたされ、関係悪化につながる可能性もありますので、一刻も早く過去を清算されるよう願うばかりです。

もちろん、ベトナムは新日国でもあります。同じアジアの盟友として日本、韓国、ベトナム、3国が協力することを祈っております。それでは、ヘンガップライ!