ベトナムは世界でもまれにみる麺料理の国。一般的にはPhở(フォー)が有名ですが、それ以外にもたくさんの麺料理があります。また、麺の色や形が違うのもベトナム麺料理の楽しみのひとつです。
ベトナムにはどんな麺料理があるのか、この記事では13種類をピックアップして紹介します。ぜひお気に入りの麺料理を見つけてみてください。
フォー(Phở)
日本でも有名なベトナムのPhở(フォー)。フォーはベトナム北部の麺料理で、米粉を主原料としています。麺は柔らかくツルツルしているのに歯ごたえがあるのが特徴。
フォーを使った麺料理で有名なのはフォー・ボーです。フォー・ボーは牛肉が入った麺料理で、北部と南部ではスープの味が違います。またトッピングがたくさん付いているので、フォーを食べるときは味の変化を楽しみながら食べてみてください。
他にもフォーのビーフシチュー版「フォー・ボー・コー」も人気があり、洋食のようにパンをスープに浸しながら食べるのがおすすめの食べ方です。
ブン(Bún)
実はベトナムでは、フォーよりもBún(ブン)の方が一般的な麺として浸透しています。
ブンは主に米粉が原料となっていますが、小麦粉やタピオカ粉などさまざまな原料を使っているのも他の麺とは違う点です。
麺は細麺と太麺があり、ストレート麺や縮れ麺などバリエーションに富んでいるのも特徴。また調理法もスープあり、スープなし、つけ麺と3種類あります。
ベトナムの伝統料理には度々登場するブン。その土地でしか食べられないメニューもあるので、いろんなブン料理を堪能してみてはいかがでしょう。
ちなみにブンで有名なメニューは以下の通りです。
- ブン・ボー・フエ・・・フエの名物料理で、牛肉のピリ辛スープの麺料理
- ブン・チャー・・・ハノイの名物料理で、ベトナム風のつけ麺
- ブン・マム・・・南部メコンデルタの名物料理で、発酵魚のスープ麺
バイン・カン(Bánh Canh)
Bánh Canh(バイン・カン)はベトナム風うどんとも呼ばれており、日本のうどんとよく似た麺をしています。しかし、日本のうどんほどコシはなく、とても柔らかい麺です。
主な原材料はタピオカ粉。バイン・カンは、米粉と混ぜ合わせたものもよく使われています。バイン・カンは主に、海鮮だしのスープで出されます。海鮮の旨味と柔らかな食感は、日本人も虜になる味です。
バイン・ダー(Bánh Đa)
Bánh Đa(バイン・ダー)は、一目ですぐわかるほど特徴的な麺をしています。麺は幅広い平たい麺なのが特徴。サトウキビを使っているため、褐色になっています。
また、柔らかい麺ですがフォーよりも少しコシがあるおかげで、歯ごたえも堪能できます。バイン・ダーはベトナム北東部にあるハイフォン市の名物料理です。
バイン・クオン(Bánh Cuốn)
Bánh Cuốn(バイン・クオン)は、布のように超幅広い麺なのが特徴です。
バイン・クオンは調理法もひと手間かかっています。この超幅広い麺を作るには鍋の上に布を敷き、その上に材料を注いで蒸し焼きにします。
蒸しているのでトロントロンの食感が味わえるのがバイン・クオンの特徴。バイン・クオンはベトナム北部の名物料理にも使われており、豚ひき肉やエシャロットなどたくさんの具を包んで焼いたものは絶品です。
バイン・タム(Bánh Tằm)
Bánh Tằm(バイン・タム)は、太めで歯ごたえのある麺です。主な原材料は米粉ですが、小麦粉と混ぜて作られています。そのため、地域によって風味が異なるのもバイン・タムの特徴です。
実はバイン・タムを使った麺料理は多くありません。もし食べたいという方は、南部にあるバクリエル省に行ってみるといいでしょう。バクリエル省ではバイン・タムは有名で、お店の特徴を生かした麺料理が食べられます。
バイン・ホイ(Bánh Hỏi)
画像出典:https://en.wikipedia.org/wiki/B%C3%A1nh_h%E1%BB%8Fi
Bánh Hỏi(バイン・ホイ)は、独特の形をした麺料理です。バイン・ホイは、つまようじぐらいの細い麺をシート状に折ったもの。一見すると麺料理には見えませんが、ベトナムでは立派な麺料理です。
バイン・ホイはベトナム中南部のビンデイン省が発症と言われています。バイン・ホイは主に肉類と一緒に食べるのがベトナム流。日本にはない感覚の麺料理なので、お店で見つけたらぜひ食べてみてください。
フーティウ(Hủ Tiếu)
ベトナムの国民食として有名なHủ Tiếu(フーティウ)。元々はカンボジア料理で使われており、その後ベトナムに広まったと言われています。
フーティウはとても細い麺で、ビーフンのようなイメージを想像するとわかりやすいでしょう。米粉を使ったフーティウは、春雨のように弾力があるのが特徴。そのため、日本人にも人気の麺料理です。
一般的には写真のようにスープと一緒に食べるのが主流。しかし、料理によってはスープなしのものもあります。フーティウは主にホーチミンで食べられており、朝食の定番メニューにもなっています。ホーチミンに滞在したら、ぜひローカル店で朝食を取ってみてください。
ミエン(Miến)
画像出典:https://vi.wikipedia.org/wiki/Mi%E1%BA%BFn
Miến(ミエン)は、ベトナム版春雨のような麺で細くてモチモチしています。味が染みやすいのが特徴で、炒め料理にもよく使われています。
ミエンで特におすすめなのがMiến Gà(ミエン・ガー:鶏のスープ)です。あっさりスープとの相性がよく、食欲のない日でも食べやすい料理。ベトナムの暑い日には、このくらいあっさりした麺料理もいいですね。
ミー(Mì)
Mì(ミー)は、卵や小麦粉で作られた麺料理です。ミーは弾力があり、柔らかい食感が特徴。またワンタンにも似たような形から、ベトナム版ワンタンとしても広く知られています。
ミーはさまざまな食材と相性が良いとあって、肉や野菜と一緒に炒めた料理が人気あります。ベトナムのほかの麺料理とは違う食感を楽しんでみてください。
ミー・クアン(Mì Quảng)
Mì Quảng(ミー・クアン)は、色のバリエーションが豊富な麺で太いのが特徴です。
ミー・クアンはベトナム中央のクアンナム省の名物料理。甘辛く煮付けたエビや豚肉、ピーナッツなどが入っており、麺と具材をよく混ぜて食べます。またスープ麺の人気で、こちらはターメリックと肉を使っています。
カオ・ラウ(Cao Lầu)
ベトナムの古都ホイアンで欠かせない麺料理と言えばCao Lầu(カオ・ラウ)です。米を主原料としたカオ・ラウは、弾力のあるモチモチ食感が特徴。
カオ・ラウはスープ麺で、具材は豚肉のマリネや大葉、ミント、レモンバジルなどハーブや野菜が入っています。またトッピングで揚げ麺を載せるのも美味。カオ・ラウはホイアンでした食べられないので、ホイアンを訪れた際はぜひ食べてみてください。
ヌイ(Nui)
画像出典:https://vi.wikipedia.org/wiki/Nui
最後は、フランスの影響を受けている麺料理Nui(ヌイ)です。ヌイはフランス語で麺という意味があり、マカロニのようなもの。基本的には太めの麺で、形もバリエーションに富んでいるのが特徴です。
ヌイは温かい麺料理。食材には肉や魚介類、野菜などさまざま入っています。食感はツルッとしていて、旨味の出たスープとの相性は抜群です。
まとめ
ベトナムの麺料理は、こんなにも種類が豊富です。
ベトナムに行くとついフォーを頼みがちですが、ほかの麺料理にもぜひチャレンジしてみてください。また地域によって味が違うので、食べ比べをしてみるのも楽しいと思います。
本場の味を堪能するなら、ローカル店がおすすめ。人で賑わっているお店に入れば、外れることはないと思います。トッピングで味を変えられる料理も多いので、ベトナムの麺料理は何杯でも食べられますよ。