近年、急速に観光地としての人気が高まっているベトナム。初めての海外旅行がベトナム旅行という方も少なくありません。今回はそんなベトナムに初めて訪れる方に関して、これだけは知っておいてもらいたい!という点を現地在住旅行会社スタッフがご紹介いたします!
ベトナム旅行に来る前の準備
はじめてベトナム旅行に来られる方はこれからご紹介する4つの準備をしてから来られることをおすすめします。ベトナムは東南アジアの中でも治安が良い方の国ですが、まだまだ発展途上国です。そのため、思いがけないトラブルに見舞われることも少なくありません。備えあれば患いなし、下記事項は必ず準備してから出国しましょう。
1.海外旅行保険の加入
ベトナムに限らず海外旅行に行く際は、必ず海外旅行保険に入ってから来るようにしましょう。海外旅行保険はクレジットカードに付帯している場合が多いです。これらを利用する場合は、事前にクレジットカード会社の規約を読み、それが使えるかどうか確認してから来るようにしましょう。
もちろん、長期で滞在される場合は掛け捨ての旅行保険に加入されることをおすすめします。筆者の周りでもこの海外旅行保険に救われた、という人を何人も見てきました。転ばぬ先の杖ではなく、いざというときに身を守るための必須手段として必ず加入してから出国しましょう。
2.複数のクレジットカードを持参する
海外旅行に訪れる際は、2枚以上のクレジットカードを持ち歩くようにしましょう。クレジットカードはベトナム国内どこでも使えますが、一部のカードは使えません(特にアメックスやダイナースなど)
また、ベトナム国内にはATMがたくさんありますが、これらのATMでも使えるカードと使えないカードがあります。いざというときにクレジットカードが複数枚あると、安心です。
3.パスポート・免許証・航空券・クレジットカードのコピー
パスポートのコピーは必ず複数枚持参し、財布やかばんとは別に保管しておきましょう。同様に、万が一に備え、免許証(身分証明書)、航空券、クレジットカードの番号のコピーを控えておくと安心です。
残念ながらベトナムではスリやひったくりなどの軽犯罪が跡を立ちません。万が一カバンごと盗まれた場合、これらのコピーがあることで迅速に対応することができます。
4.SIMフリー携帯もしくはポケットwifi
現代社会における旅行においては、携帯回線は必須と言えるのでは無いでしょうか。一番おすすめはSIMフリーの携帯を用いて空港でSIMを入れ替えることです。
ベトナム現地のSIMは安く、1,000円程度で旅行中は使い放題で。設定がめんどくさい、SIMフリーではない場合、日本の空港で受け取れるポケットWifiがオススメです。
ベトナムの季節と服装
ベトナムは東南アジアなので、年中真夏のような気候であると思われている方は多いのでは無いでしょうか?実は、ベトナムは東南アジアでも珍しい気候であり、一部の地域(ベトナム北部)によっては冬場は5℃前後まで冷え込み、雪が降るエリアもあります。
ベトナムでは日本同様に非常に縦に長い国のため、年ごとに季節帯が異なります。年ごとの季節感とおすすめの服装をご紹介します。
ホーチミン市(南部エリア)の気候と服装
ベトナム南部のホーチミン市は、熱帯モンスーン気候に属しており1年間を通して平均気温が28℃となっています。まさに常夏ですね!気候は12月から4月までの乾季と5月から11月までの雨季に分けられます。
常夏のため、基本的に観光中は夏場と同じ格好で問題ありませんが、薄手の上着は必ず持ち歩くようにしましょう。特にバスや飛行機で観光地に向かうときは上着が必須です。
これは汗や急な雨などでカラダが濡れている場合、冷房で思いがけない寒さを感じるためです。雨季の季節は雨具はあるとなお安心でしょう(ベトナム人はほとんど傘を指しません…)
ダナン・ホイアン・フエ(中部エリア)の気候と服装
ベトナム中部も南部と同じく熱帯モンスーン気候に属しています。そのため、雨季と乾季の気候です。時期は少しずれ込み9~12月ぐらいが雨季でそれ以外は乾季です。
ベトナム中部の雨季は短いがゆえに一日中雨が降ることも珍しくなく、日本の梅雨の時期のような天気が長く続きます。そのため、雨季の期間はあまり観光に適しているとは言えないでしょう。また、乾季の時期でも朝晩は少し冷え込むため、こちらも薄手の上着は常に持ち歩くようにしましょう。
ハノイ(北部エリア)の気候と服装
ハノイを中心とした北部エリアはこれまでご紹介した気候とは大きく異なり、亜熱帯気候に属します。日本と同じ用に四季が存在し、春夏秋冬の概念が存在します。
4月の一ヶ月間が短い春、5月から10月までが夏、11月が秋、12月から3月までが冬といったところでしょうか。特に注意していただきたいのが、11月から4月までの秋冬春の季節です。この季節は日本の同じ季節よりも少し気温が高い程度とおぼえておきましょう。
つまり冬の時期はコート・マフラー・手袋などが必須になります。サパなどの山岳地帯では雪も降りますので、日本の冬と同様の格好をご用意されることをおすすめします。
ベトナムの治安と対策
ベトナムの治安は東南アジアでも良い方とされています。しかしそれでも注意しなければならない治安上の注意点と対策はあります。これだけは絶対に注意していただきたいという治安上の注意点と対策を4つご紹介します。
1.空港や観光地に出現するボッタクリタクシー
ベトナムではタクシーが非常に便利な乗り物となっており、初乗り150円程度から乗ることができます。そのため、旅行中はタクシーを利用させる場面が多数あると思いますが、その際に気をつけていただきたいのが、ボッタクリタクシーです。
ボッタクリタクシーは一見普通のタクシーと見分けづらく、筆者もなんども遭遇しました。ボッタクリタクシーに乗ると、ほとんどの場合メーターに改造が施されており、あっという間に相場の数倍の値段になっていることがあります。またベトナムドンは桁が多いため旅行者の方はその判別が難しいです。
また、メーターを使わず、言い値で交渉してくるタクシーも気をつけましょう。言い値で交渉してくるタクシーでまともなタクシーはありません。よくあるパターンが途中でドライバーが変わり、よくわからない場所で降ろされるパターンです。ほとんどの場合、追加料金を請求されます。また、タクシー内での料金の受け渡し時に、財布の中から見事な手口でお札を抜き去る事件も多発しています。
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ボッタクリタクシーを避けるには、空港の係員、ホテルの受付、レストランの店員にタクシーを呼んでもらうことで防ぐことができます。くれぐれも路上に泊まっているタクシーや、向こうから声をかけてくるタクシーに乗らない用にしましょう。さらに、ボッタクリタクシーの見分け方は様々なサイトで紹介されていますので、それらを参考にしてもいいでしょう。
また、タクシー自体を利用しないという方法もできます。近年はGlab(グラブ)と呼ばれる配車アプリが主流になってきており、タクシー以上に普段から使われるサービスになっています。クレジットカード決済ができるため、ボッタクリの心配がありません。世界各国で使われているサービスなので、これを気にダウンロードしても良いと思います。
2.観光地に出現する日本語で話しかけてくるバイクタクシー
ベトナムの観光地にはセオムと呼ばれるバイクタクシーの運転手がたくさんいます。その中には、日本語で話しかけてきて、1日観光に連れて行ってあげると言ってくるドライバーも多いです。良く日本語で書かれたノートを見せてきます。これらのドライバーには絶対についていかないようにしましょう。
ほとんどの場合、後から身の上話をされて高額な費用やチップを払わされることになります。さらに、本当に危険な場面に出くわすことも良く聞きます。マフィアの運営するお店に連れて行かれて、高額なお土産を買わされるという話が後を立ちません。
対処法はとにかく無視を続けることです。このようなバイクタクシーのドライバーは決していい人ではありません。
3.スリ・ひったくり
スリやひったくりなどの軽犯罪も残念ながらベトナムでは多いです。特に南部の都市ホーチミンでは本当に多いのでくれぐれもご注意ください。近年特に狙われるのは、スマートフォンやかばんです。道路でスマホを使っているとバイクに乗った二人組が近づいてきて、奪ったかと思うとそのまま走り去る事件が多発しています。筆者も目の前で3回はその場面を見ています。
また、人混みでのスリも多いです。ベトナムはお祭りが好きな国。夜の繁華街は観光客や地元ベトナム人で盛り上がります。こういった人混みに行く際は、ポケットに貴重品は入れない用にしましょう。
対処法としては、道路に面したところで堂々とスマホをつかなわない。人混みを歩くときはポケットの中身をかばんに移す、というように対処しましょう。また、かばんはリュックやボディバックなどカラダに密着して簡単には取れないようなものを使用することをおすすめします。くれぐれもトートバッグは厳禁です。
4.睡眠薬強盗(男性の場合)
ベトナム人は人懐っこい性格で、おおらかなお国柄です。だからこそ、男性の人はハニートラップに十分気をつけてください。近年、性的サービスの女性を使った窃盗行為の手口は複雑化しており、本当に危険な場合があります。
よく聞く被害は睡眠薬を使った窃盗です。性的サービスを行っている女性または、街で仲良くなった女性を部屋に通し、そこで睡眠薬を盛られて、目が覚めると、財布や貴重品がごっそり無くなっていた、という事件をよく聞きます。
こうなってしまうと取り返すことはほぼ不可能でしょう。対処法はそういった危ないことには手を出さないこと、近づかないことです。
ベトナムのタブーとマナー
ベトナム旅行におけるタブーやマナーを紹介しようと思いましたが、正直なところ一つも見当たりませんでした。筆者はベトナムのハノイに3年、ホーチミンに4年住んでいますが、タブーやマナーで咎められたことはありません。
これは非常識だからではなく、ベトナムは本当におおらかな国のため、これといってタブーやマナーが存在しないと思われます。特に他の記事で食器は持たない、音を立てないなどと紹介されていますが、決してそのようなことはありません。ベトナム人も普通に食器を持ちますし、すすります。
タブーやマナーではないですが、ベトナム旅行で抑えておきたい慣例としてチップについてご紹介させていただきます。
ベトナムのチップ事情
ベトナムではいくつかの限定的な場面でチップを渡す文化があります。主に旅行系サービスにおいてはチップが慣例化しています。そのような場合は、チップを渡すようにしましょう。
チップはあくまで気持ちですので、満足した場合のみ、渡せばOKです。双方に気持ちが良い額を渡すように心がけましょう。ただし少額すぎるチップ(100円未満)を渡すことは相手にとって失礼ですので、やめましょう。
スパ、マッサージのセラピスト | 50,000VND(約250円)から200,000VND(約1,000円)程度 |
観光ガイド | 50,000VND(約250円)から200,000VND(約1,000円)程度 ※日本語ガイドの場合は基本的に必要なし |
チャーター車のドライバー | 50,000VND(約250円)から200,000VND(約1,000円)程度 |
シクロ(人力車)のドライバー | 50,000VND(約250円)から100,000VND(約500円)程度 |
ベトナム旅行の楽しみ方
今回は初めてベトナムに来る人に知っておいてもらいたいことをご紹介いたしました。色々ご紹介しましたが、ベトナムは東南アジアの中でも有数の治安がいい国で、住んでいる人もおおらかな親日の国です。安心してご旅行いただけますと幸いです。
ただし、くれぐれも最低限の危機意識は常に持っておくようにしましょう。備えあれば憂いなし!しっかり準備してめいいっぱいベトナム旅行をお楽しみください!