ベトナム・ホーチミン市の最大の中華街「チョロン」を魅力を徹底解説!観光名所、歴史と変遷をご紹介します

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シンチャオ!

皆さんは「チョロン」という場所の名前を聞いたことがありますか?ベトナム南部に観光に行くときにガイドブックなどを見ると、おそらく中華街として「チョロン」が紹介されていると思います。今回は、そんな「チョロン」について説明していきたいと思います。

チョロン(Chợ Lớn)の場所

そもそも、チョロンとはどこにあるのでしょうか。厳密にはチョロンと呼ばれる地区があるわけではなく、チャンフンダオ通りをメインストリートとして、ホーチミン市5区と6区にまたがって形成されているベトナム最大の中華街のことを「チョロン」と呼んでいます。

ホーチミン観光の中心地であるホーチミン市1区からは少し離れていますが、タクシーで約20分ほどですので、比較的行きやすい観光地になります。また、ローカルバスで行くこともできますので、ちょっとした探検気分で出かけることもできます。チョロン地区への行き方は、後述しますので参考にして下さい。

チョロンの成り立ち

18世紀、広南国の支援をしていたビエンホア(Biên Hòa)の華人(ホア族)が西山朝の軍隊の報復で難民となり、現在のチョロンと呼ばれる地区に暮らし始めたことが始まりです。

1975年以前は、南ベトナムに約120万人の華人が住んでおり、そのうち約110万人はチョロンを含むサイゴン周辺に集中し、約110万人のうち約70万人がチョロンに居住していたといわれています。

しかしベトナム戦争終結後、私企業の国有化や社会主義化、また中越戦争前夜の人種的緊張により、大量の華人が難民としてベトナム国内から国外に流出しました。そのため、1978年にはチョロンの華人人口は約7分の1(約10万人)にまで減少してしまいます。

ベトナム全体でみると、1975年以前に約145万人いた華人のうち約111万人が国外へ流出し、1994年には華人人口は約28万人にまで減少しました。その後のドイモイ政策(社会主義の緩和/民主化)で、チョロンの華人人口は約50万人ほどにまで増加しました。現在でもホーチミン市に住む華人のほとんどはチョロンに住んでいます。

チョロンの観光名所

ビンタイ市場(Chợ Bình Tây)

画像出典:Wikipedia:チョロン地区

チョロンの観光地として多く取り上げられているのが「ビンタイ市場」です。チョロンのバスターミナルから徒歩約5分ほどで、2階建てになっており、ホーチミン市1区にあるベンタイン市場と同規模の市場で、チョロンの中心地にあり、ホーチミンの2大市場といわれるほど品ぞろえ豊富です。

1930年に華僑の富豪クアック・ダムが投資して建てられたといわれています。2018年には改装工事が完了し、装い新たに多くの観光客と地元民を迎えています。一般消費者向けの小売店が多いベンタイン市場との大きな違いは、商売人向けの卸売店が多く立ち並んでいる点です。

1000以上の店が立ち並んでいますが、そのほとんどが卸売りの店で、ナッツなどの乾物や生鮮品など食料品はもちろん、バッグや財布、衣服、靴などの日用品までひなぞろえはかなり豊富です。卸売り店が多いこともあり、少量での購入ができないところもありますが、街中の店よりも安く買うことができます。

住所:57A Tháp Mười, Phường 2, Quận 6, Thành phố Hồ Chí Minh

アクセス:市民劇場(ドンコイ通り)からタクシーで約35分

営業時間:6:00~19:00 ※各店によって異なります

天后宮(ティエンハウ廟)

ビンタイ市場からタクシーで約5分、徒歩で約20分の場所にある天后宮(ティエンハウ廟)は、18世紀に建てられたベトナム最古の華僑寺院といわれています。天后(ティエンハウ)とは、航海の安全を守る女神のことで、航海の安全を祈るために天后(ティエンハウ)が祀られていることからこの名前がつけられました。

中に入ると、大きな渦巻き線香が天井から吊されているのを目にすると思います。この線香は約1週間ほど燃え続け、線香に火がともっている間は、祈りを捧げていることになるといわれています。吊るされた線香と立ち込める線香の煙、中華式の建物が相まってなんとも異国情緒あふれる雰囲気を醸し出しています。また、独特な模様が描かれたタイルが使用されていますので、床のタイルにも注目してみてください。

住所:710 Đ. Nguyễn Trãi, Phường 11, Quận 5, Thành phố Hồ Chí Minh

アクセス:市民劇場(ドンコイ通り)からタクシーで約25分

営業時間:6:00~16:30 旧正月の期間は変更する可能性あり

チャータム教会(チャタム教会)

ビンタイ市場から徒歩約10分の場所にあるカトリックの小さな教会です。別名フランシスコ・ザビエル教会とも呼ばれており、昔南ベトナム政権クーデターの際、ゴ・ディン・ジエム大統領が無条件降伏を行い、そして殺害された歴史的な場所としても有名です。

まるで寺院の入り口かのような門構えの入口から中に入ると、クリーム色の外観が特徴的な教会と中華様式の雨除けのような建造物の下には聖母マリア像があります。何ともミスマッチな感じがあふれる空間になっています。

教会内には多くのステンドグラスが使われており、外とはまた違った眺めを楽しむことができます。実際にミサを行う場所としても使われており、今でも多くの人が祈りをささげるために訪れています。

住所:25 Học Lạc, Phường 14, Quận 5, Thành phố Hồ Chí Minh

アクセス:市民劇場(ドンコイ通り)からタクシーで約30分

見学時間:7:00~17:00 ※ミサの時間は見学できないことがあります

入場料:無料

チョロンへのアクセス

チョロンへ行くには主に3つの方法があります。それぞれについて説明します。

タクシー

チョロンへ行く方法として一番楽なのが、タクシーで行く方法です。ホテルから直接向かう場合にはフロントやツアーデスクの人にタクシーを手配してもらい、行き先をタクシーの運転手にガイドブックに載っている住所や住所を書いた紙を見せて行き先を伝えます。

もしくは、ホテルスタッフに行き先を伝えて、タクシー運転手に伝えるという方法もあります。いづれの場合でも、行きたい場所の「名前」ではなく「住所」を伝えることが重要です。ベトナムは基本的に、通りの名前と番地で目的地の場所を把握しますので、必ず「住所」を伝えてください。

道端でタクシーを捕まえる場合には、白い車体の「VINASUN」とかかれたタクシーか、緑色の車体の「MAILINH」とかかれたタクシーがトラブルが少ないといわれていますので、どちらかに乗ることをおすすめします。

ローカルバス

ローカルバスでチョロンまで行くには、ベンタイン市場の前にあるバスターミナルから「1番」のバスに乗ります。不安な方は、バスターミナル付近にいる係員風な人に「チョロン」に行きたいことを伝えると教えてくれると思います。

料金は先払いで、5000VND(2021年現在)です。バスに乗車すると係員の人が集金に来ますので、その人にお金を払ってください。おそらく引き換えにチケットのようなものを渡してくれるはずです。乗車後は、終点まで約30分ほどバスに揺られれば、チョロンのバスターミナルに到着します。バスターミナルの目の前が、ビンタイ市場ですのでわかりやすいと思います。

帰りもバスに乗る場合には、このチョロンバスターミナルからベンタイン市場方面に向かうバスに乗ればいいことになります。ただ、帰りもバスに乗るのはあまりおすすめしません。なぜなら、市場などで買い物をした場合荷物が多くなります。

また、歩き疲れてうとうとしているすきに、バスの中で荷物や貴重品を盗まれてしまう可能性もゼロではありませんので、帰りはタクシーに乗ることをおすすめしときます。

ちなみにバスの運行時間は5:00~20:30で、約5分~10分に1本の間隔で運航していますので、多少乗り遅れても安心です

ツアー

その他、旅行会社のツアーに参加してチョロン観光するという方法もあります。詳細は各旅行会社のサイトなどを探してみてください。

チョロン観光の注意点

スリ

チョロンに行くときだけでなく、旅行先の市場など人混みの中で気を付けなければならないのが、スリです。多くの人でごった返している場所では、鞄は前に持つ、ポケットに貴重品をいれない、財布に必要以上の現金を入れない、財布は複数に分けて持つなどの対策を行ってください。

また、最近では歩きスマホをしていて、通りすがりの2人乗りのバイクにひったくられることも起こっていますので、周囲に十分警戒してください。

紙幣泥棒

お金を払う際に紙幣の0が多すぎてどれで払えばいいかわからず、店員に財布の中を見せて選んでもらおうとする人がたまにいますが、絶対にやってはいけません。財布の中身を確認された際に、紙幣をすべて抜かれ、必要以上の金額を持っていかれる可能性があります。

こちらが支払っている金額が正しいにもかかわらず、違うというような因縁を吹っかけて、財布の中身を抜こうとする不届きものもいますので、注意して下さい。

おわりに

今回はチョロンの魅力について解説してきましたが、最後に「チョロン」という言葉の意味について触れたいと思います。「チョロン(Cho Lon)」とは、それぞれ「Cho=市場」、「Lon=大きい」という意味を表し、「チョロン=大きな市場」という意味になります。

確かに、チョロンには市場が多数存在し、チョロン地区自体が大きな市場になっているといっても過言ではないように思います。今回紹介した市場だけでなく、他にもいくつか市場がありますので、興味がある方は探索してみて下さい。

それでは、ヘンガップライ~