ベトナム版サンドイッチ「バインミー」とは?定番レシピから歴史まで詳しく解説します!

ベトナムの食べ物
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みなさんは、「バインミー」という名前を聞いたことがあるでしょうか。ここ最近の東南アジアブームで知っている人も多いと思います。「バインミー」とは、ベトナムで食されるサンドイッチで、朝食などで食べる家庭的なものから、高級なものまで様々なバリエーションがあります。今回は、そんな「バインミー」について深堀していきます。

バインミーとは

もともと「バインミー(bánh mì)」とはパンの総称であり、現在広く知られているフランスパンに具材が挟まれているものは、「バインミー・ケップ(bánh mì kẹp)」(kẹpは「挟む」の意味)、「バインミー・ティット(bánh mì thịt)」(thịtは「肉」の意味)などとよばれます。しかし、ベトナム人の間ではこれらすべてを単に「バインミー」と呼ぶことが多いことから、現在の「バインミー」=「ベトナム版サンドイッチ」という認識が生まれていると考えられます。

バインミー人気の秘密

今では専門店がオープンするほど日本でも人気が出ているバインミーですが、何がそんなに人々をひきつけるのでしょうか。それは、バインミーの手軽さと種類の豊富さに尽きるのではないでしょうか。

バインミーはベトナム版サンドイッチと呼ばれていることからもわかるように、手軽に食べることができます。食パンに具材を挟んで食べやすい大きさに切ったサンドイッチとは似ても似つかない見た目ですが、小ぶりなフランスパンに具材を挟んでいるため、片手で食べることができます。

他の作業をしながら、自分の好きなタイミングで食べることができるのは大きな利点です。また、挟む具材を変えるだけで様々な組み合わせが存在するため、各々が好きな味を楽しむことができます。また、別々のものを注文して食べる前にカットしていれば、複数人でシェアして食べることも可能です。

たっぷりの野菜が挟んであるので、ボリュームはありますが、ヘルシーな印象を受けることもあるので、それも人気の理由になっているかもしれません。

ベトナム現地では、あまりものの野菜を入れることもあるため、食材を無駄にすることなく、フードロスの削減にも貢献できるかもしれません。

バインミーの歴史

ベトナムがフランス領であった時代にフランスパンが広まったのは容易に想像できますが、このフランスパンに具材をはさんでサンドイッチとして食べる「バインミー」がいつから食べられ始めたのか詳しいことはわかっていません。

ですが、第一次インドシナ戦争後フランスが撤退してから、ベトナム各地に広まっていき、さらにベトナム戦争後、多くのベトナム人が米国などへ移住していったことから世界中に広まっていきました。同じくフランス領であったラオスやカンボジアでも広く食されています。2011年にはオックスフォード英語辞典に「バインミー」という言葉が収録されています。

バインミーのレシピ

バインミーに挟む食材は店や屋台によって様々で、作り置きはせず、注文が入ってからお客さんのオーダーや好みに従って作ることが多いため、無限にメニューが存在するといっても過言ではありません。ここでは、バインミーを構成するパンと具材の種類や特徴を紹介していきます。

パン

バインミーで使用されているパンは、普通のフランスパンではありません。外はかりっとしていますが、本場のバリバリのものよりも食べやすく、中はふわっともちもちでかなり食べ応えのあるフランスパンです。

小麦粉とともに米粉を使用していることもあり、その辺はさすが米どころといった感じです。ベトナム現地で使用されているバインミー用のパンは、具材を挟まずにそのまま食べることができるほどレベルが高いものが多いです。

焼成されたパンを具材をはさむ前に炭火などで軽くあぶってから具材をはさむ店もあり、炭火の香ばしさがプラスされるだけでなく、外のパリッと感も追加されて食べやすい仕上がりになります。

具材

定番で使用されるのは、レバーペースト、薄切りにしたキュウリ、大根やニンジンのなます、パクチーなどの香草、ハムなどの肉類です。繰り返しになりますが、バインミーの具材は店によって変わりますので、どのような具材が使用されることがあるのか一部紹介します。

レバーパテ

豚を使用しているものはしっかり臭み抜きされているため食べやすいです。大根とにんじんのなますとの相性も良く定番の組み合わせです。豚の代わりに鶏のレバーを使って作っていることも多いです。

ハム(チャールア、Chả lụa)

ハムといえば、薄くスライスされたピンク色のハムが想像しやすいですが、ベトナムのハムは一味違います。豚肉や牛肉のミンチを黒胡椒や豚耳などを入れてよく練り、成形して蒸したものがハムとして売られています。

イメージで言うと魚肉ソーセージを大きくした感じです。場所によってはハーブなどを入れて作ったものもあります。バインミーの具としてだけでなく、ビールのおつまみとして食べたり、フォーなどの麺類に添えたりもします。

たまご(目玉焼き)

サンドイッチの定番といえばたまごですが、バインミーで使われるのはたまごサラダではなく目玉焼きです。目玉焼きを半分に折るなどして中に挟み、醤油をかけて完成です。なますなど他の具材と組み合わせるとさらに美味しくなります。

香草

東南アジアといえば多くの人がパクチーを思い浮かべるのではないかと思います。バインミーも例外なくパクチーを使用します。パクチーのほかにも、ミントや大葉、クエイ(ベトナムのバジル)などを使用することもあります。

きゅうり

日本でもサンドイッチにきゅうりを挟むことがありますが、バインミーに使用されるきゅうりは斜めに輪切りされているよく見るものもあれば、冷やし中華の上に乗っているような千切りのもの、縦にスライスしたものまで様々な形があります。

なます

日本でもおせち料理などで食されることがありますが、大根やにんじんなどを酢漬けにしたものです。ハンバーガーなどにピクルスが入っているのと同じ感覚ですので、さっぱりとした味わいがとても爽やかなアクセントになります。

トマト

サンドイッチでもBLTというサンドイッチがありますが、バインミーでもベーコン、レタス、トマトを使用したものがあります。また、トマト、オニオン、ハム、チーズといった具材に最後塩コショウをふって完成するものなどもあります。

豚肉

豚バラ肉を醤油などで味付けして焼いたものやチャーシュー、ミンチで作った俵形のハンバーグのようなつくねのような形のものを入れることもあります。炭火で焼かれていることもあるので香ばしく美味しいです。

鶏肉

ホイアンの有名店などでも出されていますが、味付けして茹でた鶏肉を割いてジャーキーのようにしたものや鶏肉のチャーシューを入れることもあります。しっかりと味付けされており、醤油などなしで食べることができます。

醤油

仕上げに少しかけて完成させるところも多いです。ハムなどは味がありますが、醤油を少しかけることで全体のまとまりをよくし、食べることができます。店によっては、ヌクマム(ヌックマム)を使用した醤油をかけるところもあります。

チリソース

ベトナムの南部の方で多い印象です。初めから入れる場合もありますが、店頭で好みの量かけるというスタイルのところもあります。入れすぎると辛くて食べれませんが多少の辛味はいいアクセントになってあっという間に食べてしまうかもしれません。

唐辛子

フォーなどにも浮かべることがありますが、バインミーにも唐辛子を使用します。糸唐辛子のように細くしたものをのせている場合もありますが、輪切りにした唐辛子を数個中に入れる場合もあります。この時は急に辛味がやってくるので注意が必要です。

おわりに

今回はベトナムの定番の朝食であるバインミーを紹介しました。筆者もベトナムに滞在している間何度もバインミーを食べましたが、店によってメニューが様々で、毎日食べ続けても飽きることがないほどです。

ちなみに、マストでパクチーが使用されるため作成段階で抜いてもらうか、食す前に入念にチェックして取り除いてから食べていました。

ベトナムはフォーなどに代表される米食文化だと思っている人も多いかと思いますが、実はスープなどにパンを浸して食べたり、モーニングの目玉焼きをパンと一緒に食したりと意外とパン食な国でもあります。パン好きの人は是非ご賞味あれ!

それではまた、ヘンカップライ〜